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祈り世界に届け 8・6前にジャンボ折り鶴

'03/7/27


 
 ▽若者グループ、平和公園で製作

 

【写真説明】観光客たちと一緒にジャンボ折り鶴を作る前島さん(中央)と六本木さん(左端)

 平和を願うメッセージを折り紙に書き、一メートル四方につなぎ合わせて鶴を折る。二十六日、広島市中区の平和記念公園であったジャンボ折り鶴づくり。思いを形にしようと、若者たちのグループ「ワールド・ピース・ヒロシマ」代表の前島修さん(29)が昨年に続いて呼びかけた。

 「地球とともに生きていこう」「みんなが幸せでありますように」…。事前に集めた約千八百枚のメッセージ。この日、平和記念公園を訪れた小中学生やお年寄り、外国人たちも平和の思いを書き込み、一枚一枚をのりで張り合わせて約三十羽の鶴に仕上げた。

 呉市の中学二年野田祥平君(13)は「イラク戦争とか、外国で戦争が起きているので、少しでも平和につながる活動がしたい」。

 ワールド・ピース・ヒロシマは、二年前の米中枢同時テロを機に前島さんが知人二人と立ち上げた。折り鶴やろうそくを使い、「世界平和」をアピールする市民参加型イベントを手掛ける。

 三人とも実は、広島市に住む県外出身者だ。山口県旧熊毛町生まれの前島さんは「混とんとする世界情勢の中で、ヒロシマの反応が鈍く感じた。外からの刺激で、眠れる市民を起こしたかった」と力を込める。

 そんな思いに応え、広島市生まれのミュージシャン六本木あつしさん(19)=西区=は発足直後からメンバーに加わり、音楽でつながる中高校生も引き込んだ。

 「地味でもいい。被爆者でも運動家でもない一市民が、行動を起こすきっかけをつくりたい」。前島さんたちは八月六日の平和記念式典に、折り鶴を「参列」させる。

 

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