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イラク派遣に反対の声 広島で平和の集い '03/12/9

 日米開戦の口火となった真珠湾攻撃から六十二年となる八日、被爆地広島で若者たちが「平和の鐘」を鳴らした。自衛隊のイラク派遣に反対する「不戦の誓い」集会もあった。

 広島市中区の平和記念公園であった「ピースベル・ハーモニー」には、市民団体「ワールド・ピース・ヒロシマ」(前島修代表)の呼びかけでメンバーや修学旅行生たち約三十人が参加。正午を機に祈りをささげ、一人ずつ公園内にある「平和の鐘」をついた。

 修学旅行で訪れた福岡県久留米市の中学二年松田すみれさん(14)はイラクへの自衛隊派遣について「日本人外交官のように、隊員を危険に巻き込んでほしくない」と話していた。

 原爆資料館東館では、広島県原水禁などの「不戦の誓いヒロシマ集会」があり、約二百人が参加した。軍事評論家の藤井治夫氏が講演し、有事法制など日本政府の防衛施策について「米国の戦争に役立つだけで、国民や第三世界の被害を防ぐ見込みはない」などと批判した。

 最後に、イラクへの自衛隊派遣について「断じて許されない。日本に問われる役割をもう一度考えなおすべきだ」とのアピールを採択した。

【写真説明】平和を願って鐘を鳴らす修学旅行生たち




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