目覚め


5月2(八十八夜)に、池田晶子『14歳からの哲学 考えるための教科書』に出遇いました。

新聞広告にあった
『人間自身 考えることに終わりなく』著者急逝!この先を考えるのは、あなたです」
の言葉が、妙に頭の片隅に残っていたことが、私の足を書店に向かわせたのでした。

書店に入ると、入口付近に池田晶子さんの特集コーナーが設けられていました。
お目当ての図書より、なぜか『14歳からの哲学 考えるための教科書』を手に取り、
パラパラとめくっていると 「21 宇宙と科学」 というのが出てきて、
その文章を拝読し終えた瞬間(とき)に視界が(ひら)けたのです。

21世紀は、人類が宗教を必要としなくなる世紀になるに違いない!」

この(ひらめ)きは、ジョン・レノンの『イマジン』にある“And no religion too 宗教さえもない”
を意味します。そして、この意識は時の刻み(・・・・)とともに <確信> へと変わりつつあります。

『知識から意識へ “起源意識”の夜明け』をより具体的に(ひも)()き、(わか)りやすく伝えながら、
「さて死んだのは誰なのか」という池田晶子氏のメッセージに真摯に応えていきたいと思います。

池田晶子『14歳からの哲学 考えるための教科書』は、哲学的アプローチによって、
“人が自分の正体を精神である”と、はっきりと自覚させることに成功した珠玉の書です。
この書を拝読して綴った詩『目覚め』をレクイエムとし、急逝された池田晶子氏へ捧げます。


目覚め

 
人間自身 考えることに終わりなく
  それは (すべ)てが謎だから
 
  何も存在しない(ところ)に誕生した 宇宙
  その謎は 宇宙とともに 果てしなく広がり続ける 真理
 
  時間は <永遠の現在> に存在し
  自分もまた <永遠の精神> であることを知った瞬間(とき)
  意識の自分(・・・・・)が 在り難く「存在する」ことの奇跡に
  感謝の祈りを捧げます
 
  「存在する」こと それは 奇跡
 
  「存在する」ことに 意味も理由もなく
ましてや それは信じるものでもない
 
奇跡は多くの謎を産み出し やがて それらを(つむ)
      さらに()むことで 調和さえも完成させたる <神秘>
 
神秘の中に潜む 意識こそが (すべ)てに意味をもたらす本質となる
 
 

平成192007)年615日 陰暦51日  前 島  修

 
“愛を感じる意識”を育むための『Fire the Grid
平成192007)年622

 


広島おさむる会

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